あなたの家のワンちゃんは、野生?というお話。
本来、野生の中では、約2000万年もの間、犬の寿命は7年でした。これは、ある意味、心臓に寄生するフィラリアによって決まったといっていいでしょう。
毎年狂犬病のハガキが届き動物病院に行くと、病院でグイグイ予防を勧められるあのフィラリアです。
そもそもフィラリアって・・・?
フィラリアに感染した犬の血を蚊が吸い、その時にフィラリアの幼虫であるミクロフィラリアが蚊の体内に入ります。
ミクロフィラリアは、まんまと蚊の中で、感染能力を得たフィラリア(感染幼虫)へと成長していきます。
こうしてフィラリアを持った蚊が犬を刺し犬の体内に侵入します。
そして犬の皮膚の下で脱皮を繰り返し、寄生場所となる心臓や肺動脈に移動します。
そこで更なる成長を続け、雄と雌が交尾して新たな子供(ミクロフィラリア)が誕生します。ですがこのミクロフィラリアは蚊に吸われ蚊の体内に入らないと成長できません。
もし一匹の犬の中で繁殖と成長が続いたら、犬ともどもフィラリアも絶滅してしまいます。単独では生きられないフィラリアは、寄生虫とは思えない知恵を使い、凄いことをやってのけ子孫を受け継いでいるのです。
神様が、種を残すために考えたのでしょうか。
この蚊が他の犬の血を吸うときに成長することが出来るフィラリアの子供が体内に入って、成長していき、また、心臓の中で生活を始めます。大体、7年を経過すると心臓の中はフィラリアでいっぱいになり、心不全を起こして亡くなってきました。
約30年前にフィラリアの予防薬が出来てから、犬の寿命は飛躍的に伸びましたが、イヌの進化が進んだわけではありません。犬の遺伝子は何万年も前と変化していないということなんですね。つまり、野生のワンちゃんなんです。7歳を超えると、ワンちゃんの体は「あれこれからどうすればいいのかな?」と疑問符が浮かぶ、そこから体の不協和音が始まるのです。