集合住宅でペットと共に生活する

newtown多摩地域の集合住宅周辺は、公園や道路が整備されており、人が憩い、動物と散歩したり、子供とコミュケ-ションをとるには絶好の環境といえます。この環境は、わざわざ車に乗って遊びに行かなくても、短い時間で人や動物を日頃のストレスから解放してくれます。
核家族や高齢化が進むなかで、生き物とのふれあいの場は、この環境と同様な効果をもたらします。子供の頃からの動物とのふれあいが思いやりや命を尊ぶ心を育て、悲惨な犯罪を予防するとも言われています。
しかしながら、集合住宅でペットを飼う場合、注意しなくてはならない点があります。それは、動物が苦手な人も共に生活しているということです。
集合住宅の秩序は、動物を飼っている人が決めるのではなく、動物が苦手な人がいることも常に念頭において、飼い主同士でお互いに思いやり、モラルを作っていかなくてはなりません。

病気予防編

yobousesshu具体的には、どのようなことに注意したらよいのでしょう。
第一に考えねばならないのは、病気の予防です。
犬の病気予防はたくさんありますが、一般に知られている事項を挙げます。

  • 狂犬病予防ワクチン
  • 混合ワクチン
  • フィラリアの予防
  • ノミの予防

これらすべてはそのワンチャンのため、つまり自分(犬)がうつらない様にするためのものだというのが一番に頭に浮かびます。
しかしながら集合住宅においては、共有の施設(廊下、エレベーター、エントランスホールなど)が、屋外に比べて接触の頻度が高くなります。
“ノミ”を例にとると、散歩から帰ったワンちゃんがノミを背負って帰ってくると、エレベーターの中でそのノミが落ちたり、ノミの卵を落としたりするかもしれません。その卵は、幼虫になり、部屋の隅でマユを作り、次のターゲットを待っています。その犬の家がノミの生活場所になるだけでなく、共有スペースでさえ感染の場所になってしまいます。共有スペースも、ある意味では、我家の一部だと思います。
モラルの一貫として、集合住宅では、完全な予防を遂行(ある意味で“義務化”)するよう、心がけましょう。
『人のため』に、互いの理解はここから始まります。

トイレ編

もう少し掘り下げて考えていきましょう。

sanpo以前は、「犬は噛むものだ」、「犬は吠えるものだ」と思われてきましたが、今は、「犬は噛まない動物」、「犬は無駄に(人にとって)吠えない動物」でなくては、世の中に認知されなくなってきました。
よく「外でトイレをさせた方が楽ですよね」と聞かれることがありますが、そうでしょうか?
犬が外でトイレをするということは、人がトイレのたびに世話をやかなくてはいけないということです。つまり動物は、したい時にオシッコをすることができないわけです。人だっていちいち外(トイレ)まで連れていかないといけなくなります。雨の日も雪の日も、気温が33℃もある真夏の日中も、飼い主が病気の時も、ですよ。
これでは、人も犬も楽しくなんかありません。和みを与えてくれるはずの動物が、逆にストレスの元になっていきます。

また、『散歩する時にビニール袋を持っていくことがルールである』といわれますが、これもどうでしょうか?
多摩地域に自然は多いですが、集合住宅を出てからの散歩コースを思い浮かべてみて下さい。 ほとんどアスファルトかブロックの道じゃありませんか。
アスファルトやコンクリートの上でトイレをすればビニール袋でウンチを取ったって、下に痕跡が残りませんか?ましてオシッコだったらどうですか? もうこうなると、ビニール袋だけでなく、バケツとタワシを持って行って、ウンチをビニール袋で拾ったあと、水をかけてタワシでアスファルトを洗わなくてはなりません。
「え~おおげさな~」と言われるかもしれませんが、さわやかな朝、今日は取引先と大事な契約の日、若葉台の駅まで気持ちよく歩いていたら、花の咲く街路樹の整備された歩道の真ん中に、少し柔らかい犬のウンチをこすりつけるように拭きとった跡を見つけたらどうでしょう。せっかくの朝のさわやかな雰囲気も、仕事に対する意気込みも、消沈させられてしまいます。
人間の生活の中に動物が入ってくるということは、人間のルール、マナーの中で生活しなくてはならないということだと思います。人間に置き換えてみると、たとえ小さな子供であっても、道路でウンチをしたらビニール袋で拾っていけばいいというわけにはいきません。

当院は「散歩の時にトイレをさせない」ことをおすすめしております。
ビニール袋を持たずに、お洒落に散歩に出かけましょう。